誕生日、開店祝いなどの贈り物としてよく用いられる胡蝶蘭は、大輪の胡蝶蘭から、小ぶりな花をつけるミディ胡蝶蘭やミニ胡蝶蘭まで、白、ピンク、黄色、薄緑など色々な花をつける種類の洋ランです。 他の蘭に比べて値段は少々高く、また育てるのも中々難しい蘭ですが、胡蝶蘭の花を咲かせる達成感はなかなか味わえるものではありません。高級感溢れる胡蝶蘭を咲かせて優雅な気分を味わってみませんか?
■和 名: 胡蝶蘭(こちょうらん)
■学 名: Phalaenopsis(ファレノプシス) 、moth-orchid(モスオーキッド・蛾蘭)
■略 号: Phal.
■別 名: ファレノプシス、モスオーキッド、ファン、ファレノ
■科属名: ラン科ファレノプシス属
■原産地: 台湾、フィリピン、インドネシアなどの東南アジア、ヒマラヤ、オーストラリア北部
■語 源: 属名はギリシャ語の「蛾(Phalaina)」と「見せ掛け(opsis)」との2語から構成される語で、花の形から由来。日本名は「胡蝶蘭(こちょうらん)」で、多くの種類から選抜交配されて現在に至る。
■生育環境: 山地の谷間で川の流れの近くの湿度の高い地上数十メートルの樹木の幹に着生し生育します。雨季に成長し、乾季の春から夏にかけて開花します。
■花言葉:「あなたを愛します」「幸福が飛んでくる」「清純」「機敏な人」
胡蝶蘭(こちょうらん)は、洋ランの一種で常緑の着生蘭、ラン科のコチョウラン属の常緑多年草で、主に観賞用に栽培されています。胡蝶蘭属は台湾、フィリピン、インドネシアなどの東南アジアには、およそ50種類ほどの胡蝶蘭の種類があり、どの種類の胡蝶蘭もとても美しく、高級感漂う花を咲かせます。元来、胡蝶蘭は東南アジアを中心として、インド、台湾、フィリピン、中国南部、オーストラリア北部などの山村の中に自生していました。その美しさに惹かれた人間が、観賞用にするために品種改良を重ね、現在のような美しい花を見るまでにいたっています。
胡蝶蘭の花の色は白、ピンク、黄色、緑と変化に富んだ花色の美しさで、花柄、花の形なども豊富で贈り物などに人気の蘭です。胡蝶蘭のまるで蝶が舞っている様な優美な花姿を眺めているだけでゆったりと穏やかな気持ちに浸ることができます。
胡蝶蘭の花の優雅さは、最高級の蘭とされていて、値段に恥じない、その高貴な花姿も人気の一因ではないでしょうか。
最近では、住宅事情からなのか、咲かせやすいからなのか、ミディタイプの胡蝶蘭も人気が出てきています。
胡蝶蘭は他の蘭に比べて花持ちが良く1ヶ月以上咲き続けますので贈り物にも最適です。
よい胡蝶蘭を見分けるには、基本的に花、茎、葉に傷や変色がなく見た目に全体のバランスがとれているものを選びましょう。
形や花が左右にバランスよくついていて花の大きさにばらつきがないもの 、
花は、輪数が多く花弁に厚みと張りがあり、瑞々しく咲いているもの、
葉に艶と張りがあり全ての葉の大きさが整っているもの、
茎は、太くて弾力があり根元から先端までまっすぐに伸びている胡蝶蘭を選べばいいでしょう。
【胡蝶蘭の置き場所】
胡蝶蘭は、温度管理に敏感な蘭ですので、感覚的には人間と同じと思って育てるといいかもしれません。
胡蝶蘭の置き場所は、冬場の環境としては最低でも15℃以上の室内、できれば18℃を保てる場所に置くのが最もが望ましい環境です。
しかし、冬場に18℃という温度を保つには、簡易温室など暖房が必要となりますが、簡易温室なんて、普通の家庭にはありませんから、できるだけ胡蝶蘭を暖かい場所においておき、最低でも7℃、できれば10℃は保てる環境に置くようにしてください。
7℃以下になってしまうと、胡蝶蘭が寒さで枯れてしまったりするので、冷え込みそうな冬の夜は、窓際を避けた冷え込まない場所に移したり、ダンボールなどの中にバスタオルなどで包んだ湯たんぽを入れたりして保温するのがよいでしょう。
ただし、ただ暖かければいいというわけではなく、暖房が直接胡蝶蘭にあたるような場所は避けてください。
秋から春にかけての胡蝶蘭の置き場所は、ガラス越しに日の光が良く入ってくる場所に置いておきます。
最低温度が18度以上になれば風通しのよい戸外で育てる事ができますので、日差しの強い夏には、胡蝶蘭に直接日光が当たらないように戸外に置くようにします。
【胡蝶蘭の水やり】
胡蝶蘭の水やり目安としては、1週間に1回程度と覚えておいてください。胡蝶蘭の水やりは、春から秋にかけての気温が比較的に高い時期は、鉢土が乾いたら十分に水をやりますが、秋の中旬頃からは水やりはできるだけ控えめにします。
水やりは、植え込み材料の水ゴケなど表面が乾いて水気が感じられなくなってから与えます。ただ、水の与えすぎは根腐れの原因になりますので注意してください。
胡蝶蘭の原種は東南アジアなど乾季のあるところに生息していますので、乾きには強い植物ですが、夏の戸外は一日で乾いてしまう事があるので乾かしすぎには注意が必要です。
また、冬場は鉢土を乾かしぎみにしておきます。特に気温が低温になった場合は、胡蝶蘭への水やりは控えてください。冬場はどうしても乾燥しやすいので、株全体に霧吹きで水を吹きかけてあげることも必要です。
胡蝶蘭に蕾がついている場合は、好調欄の置いてある場所の湿度が低下してしまうと、蕾が落ちやすくなるので注意しましょう。
【胡蝶蘭の土・肥料】
胡蝶蘭は、水ゴケに植えつけますので、基本的に肥料は与えないのですが、生育期や花をつける時期には洋蘭用の肥料などを与えるとよいでしょう。
最低温度が15度以上の時期に3〜4日に1回、蘭専用の液肥や緩効性化成肥料、普通の液肥は薄めにして水やりの代わりに与えます。
【胡蝶蘭の植え替え】
胡蝶蘭の育て方で一番難しいのが植え替えです。購入したの胡蝶蘭はたいてい寄せ植えされていて、そのまま管理すると根が腐りやすく、とても育てるのが難しいので、一株ずつに分けて植え替えます。
植え替える花を切った後に、一株ごとに単鉢に植え替えて、古い水苔を取り除いて、痛んでいたり、弱っている根を切ります。調整した根は、新しい水苔で包みこんで植え替えてください。
胡蝶蘭の植替えは、毎年花を咲かせ、根や葉を健康に元気に育てるために大切です。古くなったみずごけ、黒ずんだみずごけ、カビがはえてしまっているなど、悪い環境で胡蝶蘭の苗を知らずに育てている場合は、是非、植え替えをしてみてください。
時期は花後の最低温度が15度以上になった4月〜5月中頃に、2年に1度ぐらいの周期で植替えを行ないます。
根を痛めないよう丁寧に古くなった水ゴケや痛んだ根を取り除き、新しい水ゴケを足して植え替えます。胡蝶蘭を植える鉢はプラスチック製ではなく通気性のよい素焼きを使用します。また、根詰まりが酷いの場合は全部古い用土を取り除いてください。
【胡蝶蘭の病害虫】
胡蝶蘭は、水をやりすぎると根腐れや、ハダニやカイガラムシなどの病害虫が発生します。また、胡蝶蘭の株が蒸れることによって、軟腐病が発生する可能性も高いようです。いつまでも胡蝶蘭の花を楽しむためには、しっかりと病害虫がつかないように管理することが大切です。